仮想通貨投資といえば、まず頭に浮かぶのは「ビットコイン(BTC)」ではないでしょうか。2009年に誕生して以来、数多くの価格暴騰と暴落を繰り返しながらも、いまや世界中の投資家や企業が保有する「デジタルゴールド」としての地位を確立しました。
一方で、近年注目度を急速に高めているのが「イーサリアム(ETH)」です。2015年に登場したこの暗号資産は、単なる「お金」ではなく、分散型アプリケーション(DApps)やスマートコントラクトを動かすための基盤として、NFTやDeFi(分散型金融)、さらにはAIやゲーム産業まで幅広く活用されています。
では、投資家にとって重要な問い――
「これから投資するなら、ビットコインとイーサリアムのどちらが有利なのか?」
本記事では、この2つの代表的な暗号資産を 役割・仕組み・市場動向・将来性 の観点から徹底比較し、あなたの投資判断の参考になる情報をお届けします。
ビットコインとイーサリアムの誕生背景
ビットコインの誕生
2008年、サトシ・ナカモトという謎の人物(または団体)が発表した論文「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」がすべての始まりでした。翌2009年に稼働を開始したビットコインは、中央銀行や政府に依存しない「非中央集権型の通貨」を実現しました。特徴は 発行上限が2100万枚と決まっていること。これは金(ゴールド)のような希少性を持たせる仕組みで、時間が経つにつれて価値保存の手段として注目されるようになりました。
イーサリアムの誕生
それから6年後の2015年、カナダ出身のプログラマー、ヴィタリック・ブテリンによってイーサリアムがリリースされました。ビットコインが「送金や価値保存」に特化しているのに対し、イーサリアムは 「プログラムが自動で動くブロックチェーン」 を目指しました。これにより「スマートコントラクト(自動実行される契約プログラム)」が可能になり、NFTやDeFiなどの新しい経済圏の基盤となっています。
つまり、両者は似ているようで全く違う目的を持っているのです。
- ビットコイン:デジタル資産としての「価値保存」
- イーサリアム:アプリケーションを動かす「プラットフォーム」
基本スペック比較
項目 | ビットコイン (BTC) | イーサリアム (ETH) |
---|---|---|
誕生年 | 2009年 | 2015年 |
創設者 | サトシ・ナカモト | ヴィタリック・ブテリン |
発行上限 | 2100万枚 | 上限なし(ただしバーン機能あり) |
コンセンサス | PoW(プルーフ・オブ・ワーク) | PoS(プルーフ・オブ・ステーク) |
主な用途 | 価値保存・送金 | スマートコントラクト、DeFi、NFT、DAO、AI、ゲーム |
時価総額シェア | 暗号資産全体の約45% | 約20%(第2位) |
特徴 | デジタルゴールド、希少性 | Web3の基盤、実需が拡大中 |
価格推移と市場での位置づけ
ビットコインの価格推移
- 2013年:初めて1,000ドルを突破
- 2017年:20,000ドル到達
- 2021年:68,000ドルの最高値
- 2025年:ETF承認などで120,000ドル突破
ビットコインは「半減期」という供給調整により、長期的に上昇サイクルを描いてきました。
イーサリアムの価格推移
- 2017年:1,400ドル
- 2018年:100ドル台まで暴落
- 2021年:NFTブームで4,800ドル
- 2025年:7,000〜10,000ドルを狙える段階
バーンとPoS移行により「デフレ資産化」の期待もあります。
強みの比較
ビットコイン
- 発行上限による希少性
- 国家や機関投資家が保有
- 長期的な「デジタル金」としての信頼
イーサリアム
- DeFi・NFTなど圧倒的シェア
- バーンで供給減少
- PoSで環境負荷99%削減
弱み・リスク比較
- ビットコイン:送金速度遅い、手数料高い、新しい機能が増えにくい
- イーサリアム:ガス代高騰、競合チェーンの台頭、アップデートリスク
将来性の比較
ビットコイン
- 「デジタル金」として各国の準備資産化
- 401kや年金基金への組み込み
イーサリアム
- Web3のインフラとして拡大
- あらゆる資産のトークン化
- ESG資産としても注目
投資戦略
- BTC=守りの資産(長期保有、安定)
- ETH=攻めの資産(成長株的リターン)
ポートフォリオ例
- 安定重視:BTC 70%、ETH 30%
- 成長重視:BTC 50%、ETH 50%
- 攻め重視:BTC 40%、ETH 60%
👉 初心者はドルコスト平均法で両方を積み立てるのがおすすめ。
まとめ
- ビットコイン=デジタルゴールド
- イーサリアム=Web3の基盤
- どちらも遅くない
- 結論:「BTCで守り、ETHで攻める」 のが現実的
コメント